古川 智美(眼科専攻医)

眼科専攻医3年目の古川智美と申します。私が研修医として働いた病院には眼科研修プログラムはなく、専門分野を決めるのが遅かったこともあり、研修中に眼科を学ぶ機会はほとんどありませんでした。そのため、眼科医として働き始めた時点での私の眼科の知識は、学生の域をでないレベルだったと思います。そんな私を、当科の先生方は温かく迎え入れてくださりました。当初、視力の定義さえ怪しかった私ですが、前教授が、週1回、マンツーマンで講義をしてくださりました。「同期がいなくていろいろ相談できず、寂しいです」と言っていた私に、冗談で「私を同期と思ってお話ししてください」と言ってくださったことは今でも忘れられません。

現在の具体的な仕事としては、朝に病棟の患者さんの診察をし、その後午前中は基本外来業務を行います。大学病院なので特殊な症例や難症例が集まってきます。当科では若手医師は、専門分野を細かく分けることはせずに、分野を隔てずに診療にあたっています。診察して、わからない所見や、治療方針について不安なことは、先輩の先生方に相談して指導をうけております。午後は硝子体注射やレーザー治療、手術前のICなどを行います。基本は大学病院勤務ですが、外病院で働く機会もあり一般診療の経験を積んでおります。

手術に関して、白内障手術は多くて週5件程度執刀、そのほか斜視手術や内反症手術の執刀も数多く経験できます。同期の医師がいないため十分な症例があり、手厚い指導をうけながら独り立ちを目指しております。

教育に関しては通常の症例検討会にくわえ、若手のために、週1回で症例検討会の開催もあり、診療で悩んだ症例の質問をし、他の医師が経験した貴重な症例を勉強できる環境があります。学会発表や論文作成についても手厚く指導頂き、私もこれまで地方学会や全国学会の発表も経験しました。

さて、ここからは少し話題をかえて、子育てをしながら仕事をする医師という立場で、少し書かせていただきます。私は現在、未就学の子供を育てながら仕事をフルタイムで行っております。子供が8か月の時に時短で復帰し、10か月になった時点では病棟・外来の通常業務を行うようになりました。若手という立場もあり、眼科医として早くスキルアップし、専門医をとりたい気持ちがあり、早めのフルタイム復帰としました。

子育てしながら仕事をしてみて、圧倒的に足りないのと感じたのは何といっても時間です。妊娠する前までは、ほぼ休み返上で、平日も夜遅くまで残り、日直当直も好んで月6回やるなど、大の仕事好きでした。しかし、妊娠してからその気持ちが変わり、仕事と同じく家庭も大事にしたいという気持ちが大きくなりました。当科には幸い、子育て中の先輩医師が多くいます。多彩なロールモデルがあることで、不安なことを相談でき、安心して復帰することができました。子供が体調を崩し、自分も突然お休みをいただき、医局員の先生方に負担をかけることもありますが、そんな時にも逆に励ましの言葉をかけていただくことも多いです。人数も少ない教室ですので、家族のような環境で、無理のない範囲で仕事をさせていただき公私ともに充実した日々を過ごさせていただいております。仕事をしていて、こんなに温かい職場があるんだと、いつも感謝しています。周りの先生方の助けがあるからこそ、現在家庭の時間も大切にしながら仕事に打ち込めております。

当科は私が専攻医になってから雰囲気のよさからか、毎年後輩が増えています。将来のキャリアに対して、もし思い悩んでいる方がいましたら、ぜひ当科に一度お越しください。一緒に働ける環境がそこにみえたら、是非青森県の眼科医療を一緒に担っていきましょう。

最後まで読んでくださりありがとうございます。少しでも読んでくださった方の将来の選択の手助けになりますことをお祈りしております。

2022年11月

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