よくあるご質問
- 「献眼」とは何ですか?
- 角膜の病気によって視力を失っている方のために死後に自分の眼球を提供することを献眼といいます。提供された眼球から角膜を取り出して角膜移植手術に用いられます。
- 角膜移植手術とはどのような手術ですか?
- 角膜とは眼球の黒目の部分の表面にある直径12 mm、厚さ0.5 mm程の透明な膜です。通常は光を眼の中に入れるレンズの働きをしますが、これが混濁したり変形したりすると物がよく見えなくなります。そのような異常な部分を切り取って、献眼で頂いた眼球の透明な角膜と取り替える手術が角膜移植手術です。
- 献眼登録の方法は?
- お住まいの都道府県のアイバンクにご連絡願います。青森県であれば弘前大学アイバンクが対応いたします。当アイバンクにご連絡いただきますと登録用紙を郵送いたしますので、必要事項を記載の上折り返しご返送願います。これで献眼登録は完了します。献眼登録はご本人の自発的な意思が尊重されますので、後日、考えが変わって登録を取り消したいとお考えの際にもご連絡頂ければ取り消しは自由です。
平日 9:00 ~ 17:00 弘前大学医学部眼科学講座受け付け 0172-39-5095
土曜、日曜、祝日、平日夜間(時間外) 附属病院眼科病棟 0172-39-5275
- 親族への献眼の指定は?
- 親族が角膜移植を必要としている状態で、自分の死後にその特定の親族に眼球を提供したい旨を指定することも可能です。ただし、親族優先提供の範囲は、配偶者、子、父母の1親等に限られます。
※祖父母から孫への指定はできません。
- 生きている間の献眼は可能ですか?
- 一般的には認められません。眼球は左右に1個ずつあることにより、目の前の物体を立体的に見たり、遠近感を感じることで衝突を避けたり、左右で合計180度以上の広い視野を確保することができます。この感覚は日常生活においてとても役に立つ働きです。生きている間にその片方の眼球を取り出してしまうと、遠近感が失われて不便さを感じることになります。現在は眼球提供者にそのような不便をおかけしてまで眼球提供をすることは認められておりません。
- 献眼に年齢制限はあるのですか?
- 人生100年時代と言われ、近年は平均寿命が伸びていますが、人間の角膜の寿命は一般的に200年と言われており、このことから現在は献眼には年齢制限はありません。
- 献眼後の顔貌の変化はどうですか?
- 献眼の際には通常の眼科手術で行われるような清潔操作で眼球のみを摘出します。眼球を摘出した後にはそれに代わる義眼を入れますので、顔貌が変化することはありません。
- 献眼登録していない場合でも献眼は可能ですか?
- はい可能です。亡くなられたご本人が生前に明らかに献眼を拒否されていた場合以外はご家族の同意によって献眼することは可能です。その場合でも献眼のご希望をできるだけ早いうちに弘前大学アイバンクに電話にてお知らせ願います。
- 実際の献眼の手順は?
- 献眼ご希望の連絡を頂いた後、ご家族の指定する場所に摘出を担当する眼科医が伺います。まず始めに眼球摘出の同意書に署名頂いた後に、ご遺体からウイルス感染などの検査のための採血を行い、顔面を消毒して眼球摘出を行い、最後に義眼を挿入して終了となります。
- 片方の眼だけの献眼は可能ですか?
- はい可能です。ご本人やご家族の希望により片方だけの献眼の申し出があった場合、または医学部学生の解剖実習に役立たせるための献体登録をされておられる場合には片方の眼球のみの献眼がなされます。
- 人工透析を行っていますが献眼は可能ですか?
- はい、可能です。角膜に問題がなければ全く問題はありません。
- 白内障、緑内障、網膜剥離などの眼の病気でも献眼は可能ですか?
- はい。角膜に問題がなければ眼の病気があっても献眼は可能です。
- がんを患っていますが献眼は可能ですか。
- がんの中でも血液のがんである白血病と悪性リンパ腫の場合には献眼はできないことになっています。それ以外のがんでは眼球に転移していなければ献眼は可能です。
- 家族がおらず同意の手続きができない場合は?
- あらかじめ周囲の方に献眼のご希望を伝えて頂いて、しかるべき時期にアイバンクにご連絡できるようにお願い願います。献眼は可能となります。
- 献眼することができないのはどのような場合ですか。
- B型肝炎、C型肝炎、成人T細胞リンパ腫、後天性免疫不全症候群(AIDS)など角膜移植によって移植された方に感染する可能性のある感染症をお持ちの方をはじめ、眼内の悪性腫瘍や白血病、悪性リンパ腫などいくつかの病気が指定されています。献眼に先だってご遺体から採血させていただくのは最初の4種類のウイルス感染症の有無を調べるためです。